住友ファーマは25日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から網膜の細胞を作り、目の病気を治療する臨床試験(治験)の計画書を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表した。加齢黄斑変性などが原因で発症する「網膜色素上皮裂孔」の患者を対象とする。今年度中の治験開始、令和7年度の実用化を目指す。
患者の網膜に移植して有効性や安全性を確認する。視野の欠損や視力低下を引き起こす網膜色素上皮裂孔の治療法は確立されておらず、移植で視覚の維持・回復が期待できるという。
同社はこれまで加齢黄斑変性を適応症に治験の開始を目指していたが、より効果が期待できそうな網膜色素上皮裂孔の患者に絞ることを決めた。同社は再生医療医薬品の研究などを手がけるヘリオス(東京)と共同で開発を進めている。