目の遺伝子治療薬「ルクスターナ」、国内で初承認…米では1億円超の高額薬)

読売新聞オンライン (2023/06/23

 製薬大手ノバルティスファーマは26日、目の遺伝性難病の治療薬「ルクスターナ」について、厚生労働省から製造販売の承認を受けたと発表した。先駆けて承認された米国での価格は両目で85万ドル(約1億2000万円)で、日本でも高額となることが見込まれる。
 遺伝子治療薬は、目の病気では国内初となる。難病「遺伝性網膜ジストロフィー」のうち、「RPE65」という遺伝子に異常がある患者が対象だ。網膜の光を感じ取る機能が低下し、半数以上は10代後半までに失明に至るが、これまで有力な治療法がなかった。
 治療では、両目の網膜下に薬を1回ずつ注射し、正常な遺伝子を細胞に送り込む。投与対象は、網膜に光を感じ取る細胞が残っていることが条件で、同社は5年間で15人程度を見込む。
 薬の公定価格(薬価)は今後、中央社会保険医療協議会(中医協)で審議される。これまでの国内最高額は、全身の筋力が低下する難病「脊髄性筋萎縮(いしゅく)症」(SMA)の遺伝子治療薬で2020年に承認された「ゾルゲンスマ」の1億6707万円となっている。